ありがとうトミー
トミーと出会い、17年間共に過ごした思い出の日々を綴っています。
愛犬トミーが静かに天国に旅立ちました。 10月21日の昼下がりの時でした。
捨て犬だったトミーが シルトピアの仲間になったのは17年前です。
穏やかな性格でしたが、小さい頃はおちゃめを発揮して、 職員を困らせたこともありました。
コロコロと走り回りながらお漏らしをするトミーを モップを持って追いかける職員がいて、 皆で笑った日のことを懐かしく思い出します。
お客様の靴を噛んで遊んでしまい、謝ったこともありました。
ラジオ体操の音楽が大好きで、 毎朝、ラジオ体操に合わせて歌を歌うのが日課でした。
特に保育園の子ども達を招いての運動会では、声が裏返るほどに張り切って歌っていました。
お客様が来ると必ずご挨拶に伺い、 時には施設の案内もしてくれる働き者でした。
職員の会議には積極的に参加しました。
トミーはご近所でちょっとした有名人(犬?)で、トミーを連れてお散歩をしていれば、皆さんがシルトピアの職員とわかって声を掛けてくれました。
ワンちゃんをお散歩している方達とも顔見知りになれました。
お散歩に行けなくなってからは、 ワンちゃん仲間がお見舞いに来てくれたこともあります。
私たちが地域の方達と交流を持てたのは、トミーの顔の広さのお陰です。
子犬の頃にはそれなりにやんちゃもしましたが、 大きく成長するとともにトミーはお年寄りに 人間には出来ない心のケアをたくさんしてくれました。
認知症の症状は人それぞれで、 大きな声を出したり、暴れたり、 幻覚や幻聴の症状が出る方もいます。
過去の葛藤や、抑えていた感情が溢れ出す方もいます。
お年寄りの心が落ち着かないときには、 まるで自分の役目を理解しているかのように そっと近くに寄り添うトミーの姿がありました。
トミーが寄り添っていると不思議と落ち着いて穏やかに毎日を過ごせるようになったお年寄りがたくさんいます。
お年寄りがお散歩に行けば、必ずトミーも付いて行きました。
お年寄りとのお別れの時には、夜中でも必ずそばに付いていてくれました。
そして、見えなくなるまでお見送りをしてくれました。
どれほどたくさんのお年寄りの心を安らかにしてくれたことでしょう。
何万回「ありがとう」を言っても、それでもまだ足りないくらいに感謝しています。
お年寄りのために生きたトミーに、シルトピア栄誉賞を贈りたいです。
シルトピアに来てから17年間、 トミーは誰かに教わったわけでもないのに、 本当に良くお年寄りの面倒を看てくれました。
トミーを可愛がってくれた皆様本当にありがとうございました。
たくさんの方に愛情をいただき、たくさんのお年寄りに愛情を振りまき、トミーは本当に幸せでした。